「■ALL OR NOTHING■」とは私のHPタイトルである。
このタイトルを冠したのは、別に適当な英語を引っ張ってきてカッコつけようとした訳ではない。

ALL OR NOTHING。直訳すると「全か無か」「完全かゼロか」。これは私の思考癖・性格を表すには実にしっくりと来る言葉なのだ。

即ち、やる時はとことんやり抜く。やらない時はとことん手を抜く。躁鬱。仲の良い人と盛り上がって大笑いした次の日には、もう死にたくなっていたりする。希望と絶望の間でいつも揺れている。生と死についていつも考えている。一つの事に集中した時のエネルギーは凄いが、そんな時は周りが全く見えなくなってしまう。

要するに、中庸を知らない。知ってはいるけど実践出来ない。

良くも悪くも、私はALL OR NOTHINGなのだ。それが自分の長所でもあり、短所でもあると考えている。

ALL OR NOTHINGが悪い面で出てしまうことがよくある。それが私の自己嫌悪を悪化させる大きな一因となる。


今日は彼氏とデートの約束だった。寝坊しないようにと、現在使用中の携帯、以前使っていた携帯、オーディオと、トリプルで目覚ましをセットする。
御蔭で寝坊はしなかった。目覚ましをセットした通りの時刻に目を覚まし、まだ時間に余裕が有ったので、新規HPスタートに向けての写真レタッチ&加工を少し片付けてしまおうと思い、作業に取り掛かる。

近頃、無気力症状の強い軽い鬱状態にある私は、普段なら楽しくて仕方無い筈の写真いじりもやる気が起きない。このままでは出掛ける準備すら始める気力が出なさそうだ。そこで、先日某氏に送って頂いた、やる気や集中力のつく薬を少しだけスニッフ(粉状にして鼻から吸う事)して作業に取り掛かった。

そうすると、薬が効いたのか恐ろしい程の勢いで写真いじりが進む。今まであまり使っていなかった加工ソフトの機能も、ヘルプ無しでいつの間にか習得していた。
完璧に集中していた。時計の針がどんどん進んでいるのにも気付かなかった。

彼氏から電話が掛かって来る。私が寝坊せずに起きているかどうかの確認の電話だ。問題無い。目は冴えているし、時間はまだある。

2回目、3回目と電話が掛かって来る。流石に当初予定していた時間が迫って来ていた為だ。
写真いじりが一段落ついたら出掛ける準備をする、と言った。あと3ファイル、3ファイルで一段落だ。

しかし彼氏が段々業を煮やして来ているのが声の調子で判ったので、途中で切り上げて出掛ける準備を開始する。

一通り化粧等を済ませ、準備が完了したのは夜の9時過ぎ。約束の時間をとうに過ぎている。申し訳無いとは思いつつ、準備完了のメールを打とうとしているその時、折りしも彼氏から電話が掛かって来た。

時間が時間だし、今日のデートは無しだ、と言われた。悲しくて、自分に腹が立って、申し訳無くて、これからどうするあても無いこの身で、何処かへ行こうと思った。服も着替えたし、化粧もしたし(私が外出用の服に着替えて化粧をするのは、外に出るという大きな決心を伴った時に限られるのだ。何せ半引きこもり状態なのだ)、カメラと携帯、小銭、鍵だけ持って、自転車で目的地も決めぬまま何処かへ行こうと思った。
一人で何処かへ行くのは好きだ。それも人気の無い場所、夜の河原なんかが大好きだ。
このまま一人で夜の街を徘徊して、どこか目立たない場所で死ぬか殺されるかするのも良いと思った。

「これからどうしよっかなぁ…。どっか行こうかなぁ」
「一人で?」
「うん」

電話口でそんな事を言うと、しょうがないなぁ、これから迎えに行くよ、と彼氏は言った。涙が出る程嬉しかった。

家の前の道路の脇で、彼の車が見えるのを待った。
電柱にはオレンジ色の灯り。それをスローシンクロでカメラに収めた。何だか今の私の気分にぴったりの風景だ、と思ったからだ。

彼氏と花火をした。途中で近所の猫が寄って来た。猫は眩しそうに、でも興味深げに花火を見ていた。年甲斐も無く、手持ち花火でコンクリートに文字を書いたりした。私は多分、幸せだった。でも何か言うべき事を、きちんと言っていないような気がした。

花火が終わると、彼の家でだらだらと過ごした。どうしてこんなにかっこよくて、可愛くて、優しい人が私みたいな駄目人間の事を好きでいてくれているんだろう。

少し、話すべき事を話せた気がした。私は幸せだった。でも自分が、嫌いだった。

自分が嫌いだから、たまに好きな人から思い切り暴力を受けたりしたくなる衝動に駆られる。

時間が遅くなって来たので、家まで送って貰って帰る事にした。家の前で車を停めて、暫く話し込む。話すべき事は、おおよそ話せた気がした。
私は、幸せだった。


帰ってから、再び写真いじりを開始した。でも先程の異常なまでの集中力は何処へやら、数ファイル加工してすぐに眠ってしまった。

睡眠薬を飲まずに眠ったので、嫌な夢を沢山見た。
最近見る夢といったら、嫌な夢か疲れる夢かのどちらかだ。

楽しかった筈なのに、深夜に部屋に一人で居ると自己嫌悪と無気力症状に襲われた。


ALL OR NOTHING。この言葉が私の根底に存在する限り、この「全か無か」「完全かゼロか」の無限ループは消えないのかもしれない。

そう思う度、将来への不安が募る。

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