またしても起きたら2時をまわっていた。
今日はデイケアで知り合った友達のAちゃんの家に遊びに行く予定があったし、誰かとコミュニケーションを取っていないとまた離人症がぶりかえしたり引きこもり生活に逆戻りしてしまいそうな気がしたので、取り敢えず急いで着替えて化粧をして、病院に向かった。
終了時刻の1時間前程に病院に着いたので、受付のお姉さんがデイケア費をまけてくれて30円にしてくれた。領収書を見ると「診察料」扱いになっていた。
私は公費負担を受けているのでまともにデイケア費を払っても300円代だ。
公費負担とは通称「32条」と呼ばれていて、正式には精神保健福祉法32条という制度のことだ。
噛み砕いて言うと、精神疾患で病院や診療所に通院する際掛かった医療費の自己負担分を、市の公費で負担してくれるというありがたい制度だ。
地域や病状の重さによっては無料になる場合もあるが、私の住んでいる市では5%負担が下限だ。
それでも、5%である。バカみたいに安い。
診察を受けて薬を処方して貰っても、総額500円あればおつりが来る。

デイケア終了後は昨日約束していたのでAちゃんの家に遊びに行った。
Aちゃんは夜のお仕事をしていて、テレクラのサクラもやっている。私も現在の職業は通信制大検予備校生という事になっているが、試験が近いし以前バイトをクビになったトラウマがあり、重ねて言うなら急激に鬱状態になってしまう事があるし引きこもり気味の私には今バイトをするのはあまりにも酷だと思われるので現在は無職に近い。
実家はレストラン&喫茶を営んでいるのでそこで不定期でバイトをする事もあるが、何せ実家の店なので時給は低いし頻繁に働ける訳ではないので今は貯金暮らしだ。でもいつか底をつくのは目に見えている。
そんなこんなで何か適当な収入源を探していた矢先、Aちゃんにテレクラのサクラの仕事の話を持ち掛けられたのだ。鬱や離人症が酷くない限りチャットもメールも電話も好きだし、何しろ自分の好きな時に自宅で適当に男をからかっているだけで金が入るなんてなかなかオイシイかもしれないと思い、Aちゃんの家で「体験入学」させて貰った。
実際にやってみてある程度「いけそうだ」という実感があったのでAちゃんにパンフレット等を貰って登録してみる事にした。
彼氏は多少妬いていたようだったが、もともと私は暇な時にメル友募集掲示板に適当に書き込みを入れて、ナンパ目的の男に激しく毒舌を吐いてからかって暇潰ししているような女だ。特にネット環境が携帯しかない男は「18歳 女」というだけでナンパメールを送って来る奴が大半なので、からかうにはもってこいだ。
彼氏は私がそういう事をして遊んでいるのを知っているし、あくまで私は彼以外の男は全く眼中にない事を彼も重々承知していると思うので、私がテレクラのサクラをやろうと思っている事を以前に告げたが怒りもせずに承諾してくれた。

Aちゃんがかわいい真っ白なスカートをくれた。買ったはいいが殆ど履いていないかったらしい。Aちゃんは優しいしいい子だと思う。

Aちゃんがコンビニでお酒と食べ物を買ってきてくれた。ライチサワーを飲みながらおにぎりを1個だけ食べた。最近薬の副作用かなんだかよくわからないのだが、食欲が異常に減退しているのだ。今日口にした固形物はそのおにぎり1個のみだ。ポカリスゥエットと煙草と酒と最低限の固形物があれば、空腹に耐えかねなくなるようなことはない。

終バスの時間が迫ってきていたしAちゃんがもう眠りたそうだったので9時前には家に帰った。

帰ってさっそくサクラの仕事の登録をしようと思い電話を掛けた。
ところが何処へ電話しても19歳以上でなければ駄目だと言われてことごとく断られた。何かそういう条例でもあるのだろうか。
仕方ないので今度暇な時にでもネットで18歳からでも大丈夫なサクラの仕事を探してみようかと思っている。最悪の場合メールレディー(出会い系サイトのサクラ)でも始めようかと思う。しかしプライベートでネットを楽しむ時間が減ることを考えると辛い。
札幌の友達からAちゃん宅に居る時に電話が掛かって来ていたので、自宅から改めて掛け直した。彼は私の数少ない男友達の一人で現在は彼女が居ない。私が彼氏の話をすると、「どーせオレなんて…。もう人生に疲れた…」などと心神喪失状態に陥っていた。どうせいつものギャグだとわかっているので、便乗して更にノロケてやった。

それから彼氏から電話が掛かってきた。ネットには繋いであったのだがサクラの仕事を探したりメールチェックしていたりしていたので、MSNメッセンジャーを切っていてなかなかオンラインにならないので心配になって掛けてくれたらしい。

サクラの仕事探しはいつでもできるし、PCのメールなんて暇な時に返せばいいのだから取り敢えずメッセをオンにした。
彼とメッセで話しているうちによく行くチャットに行こうという話になり、そこで暫く皆で話した。

私は窓の外が白み始めてから眠りに着くのが最近の生活スタイルなのだが、明日は彼と午後から熱気球に乗りに行く予定だし新しいデジカメが午前中に届く予定なので早起きをしなければならない。

今日は昨日のように虚脱感や無気力感に襲われる事は全くなかった。
恐らく現実も電話もネットも含め、ずっと誰かとコミュニケーションを取っていた所為だろう。


たまらなく、人とのコミュニケーションに疲れる事もある。
たまらなく、誰かとコミュニケーションを取っていないと寂しい時もある。

大笑いした次の瞬間に泣き出してしまう事もある。

全く何もする気が起きずに終日床に寝転がって天井を眺めている日もある。
友達と遊んで盛り上がるのが楽しくて仕方ない日もある。

つまりは、ALL OR NOTHING.
つまりは、強いて言うならそれが病気の遠因。

おそらく。

自分の事を判ったフリをしてみせたがる愚か者。
ウェブ上には刷いて捨てるほど居るそんな人たち。
そして、私もその一人。

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